歯周病治療
歯周病について
歯周病は、歯肉炎と歯周炎の総称で、歯と歯茎の間に細菌が繁殖することで起こる炎症性疾患です。歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんど無いため、気づかないうちに進行し、最悪の場合、歯が抜けてしまうこともある軽視できない疾患です。
また近年、歯周病は口腔内だけの問題ではなく、心臓病や肺炎、糖尿病など多岐にわたる疾患の発症リスクを高めるほか、重い歯周病にかかった女性は早産や低体重児を産むリスクが、かかってない人の3.6倍になることがわかっています。
歯を失う最大の原因
歯を失う原因は、むし歯だと考えている人は多いでしょう。しかし日本人が歯を抜かなければならなくなる原因のトップは歯周病です。
ですが、歯周病の初期の段階では自覚症状がほとんど無いので、気づかない人が多いものです。歯磨きが不十分なために、歯と歯肉の間に細菌が棲みついてプラークが溜まると、そこに炎症が生じます。これが歯周病の始まりです。
初期には自覚症状はほとんどありませんが、次第に赤みや腫れ、出血、排膿、口臭など、様々な症状が起こり始めます。プラークが石灰化して歯石になると、通常のブラッシングでは取り除けなくなり、歯周病は悪化します。歯と歯肉が付着しているすき間に「歯周ポケット」ができて、さらに炎症が歯肉の内部まで進行すると、歯肉溝が深くなってきます。
やがて歯根膜(歯と歯槽骨を繋いでいる組織)や歯槽骨が破壊され、歯を支える力が次第に弱くなって、歯はグラついてきます。このままの状態を放置すると、最終的に歯は抜けてしまいます。
歯周病かどうかセルフチェックしてみましょう
歯周病の初期は外側から歯を見ただけでは分からないことが多く、痛みなどの自覚賞状も乏しいため、発見が遅れがちになります。症状に気づいて受診した時には、すでにかなり進行していることも少なくありません。早期発見のために歯周病の症状を理解し、定期的にセルフチェックする習慣をつけましょう。
歯周病進行度セルフチェック
当てはまるものにチェックをしてみましょう
- 歯肉がときどき赤く腫れる
- 歯肉がむずむずして痒い
- 歯が浮いた感じがして腫れぼったい
- 冷たいものがしみる
- 歯を磨くと歯肉から出血する
- 下の前歯の裏側に歯石がついている(ザラザラした感じがする)
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする
- 歯肉を押すと血や膿が出る
- 口臭を指摘された・自分で臭いと感じる
- 「サ行」の発音がしにくい
- 歯と歯の間に食べ物がはさまりやすい
- 歯を押すとぐらぐらする
- 歯肉が下がり、歯が長くなった感じがする
- 以前とは歯並びが変わったような気がする
3つ以上の項目が当てはまる人は予防、治療のために早めに歯科を受診しましょう。
歯周病の治療
当院では、できる限り歯を残し、なるべく抜歯しないで済むように配慮した治療を行っております。
もちろん全ての歯を残せるわけではありませんが、他院にて抜歯と言われたとしても様々な治療を行うことで残せる場合もあります。
当医院では自分の歯をできるだけ残す治療を提案したいと考えています。
まずはX線検査を行って歯槽骨の状態を調べたり、歯周ポケットの深さを測ったりして歯周病の状態を検査します。そのうえでケースに応じて、プラークコントロールの指導やスケーラーによる歯石取り(スケーリング)、スケーリングで取ることのできない歯の根に付着した歯石や細菌感染した歯質の除去、また歯周外科治療などが行われます。